生活保護を受けながらUber Eats の配達をしても大丈夫なのか。結論から言うと、働くこと自体は問題ありません。ただし、稼いだお金は毎月申告する必要があります。
申告をしないまま働くと、あとで「不正受給」として扱われます。逆に、きちんと申告すれば働いた分だけ使えるお金は増えるしくみ。稼いだ額がそのまま保護費から引かれるわけではありません。
この記事では、厚生労働省や自治体が出している説明をもとに、制度のしくみをかみくだいて整理しました。あわせて、2019年から配達を続けている私の体験も書いていきます。私はうつ病を経験していて、いまも薬を飲みながら走っている一人です。
なお、制度の細かい運用は自治体ごとに差があるもの。最後は必ず担当のケースワーカーに確認してください。
この記事を書いた人

レクター
フードデリバリー専門ブロガー / YouTuber / ライター
2019年からUber Eatsなどの配達を開始。今も走り続けながら、実体験をもとに発信しています。
| 配達歴 | 2019年〜現在 |
|---|---|
| 配達件数 | 3,000件以上 |
| YouTube | 登録者 約6,000人・動画400本以上 |
| 掲載実績 | ライブドアニュースほか |
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結論|働けます。ただし収入の申告が必要
まず押さえておきたいのは、この3つです。
家族全体の収入が「最低生活費」より少なければ、保護は続きます。仕事を始めたら即打ち切り、ということはありません。
1万円でも5万円でも、稼いだら毎月とどけ出ます。ここが最大のポイント。
かかった費用と「勤労控除」が引かれます。だから働いたほうが、使えるお金は増えます。
先に、この記事で何度か出てくる言葉の意味だけそろえておきます。
「働いたら保護費が同じ額だけ減るなら意味がない」と思っている方は多いはず。ここは誤解です。次の見出しで、お金の流れを順番に見ていきます。
働くと保護費はどうなる?|勤労控除で手元は増える
大阪市の「生活保護のしおり」には、こう書かれています。
働いて得た収入の場合、交通費や社会保険料、所得税等の必要経費が控除されるほか、収入額に応じた勤労控除があります
大阪市「生活保護のしおり」
同じページには「就労収入のある世帯は勤労控除の分だけ生活費は多くなります」ともあります。働いたほうが使えるお金は増える。制度がそう作られている、ということです。
保護費として最低生活費が支給されます。使えるお金はここまで。
配達で稼いだお金から、かかった費用と勤労控除が引かれます。残った金額だけが「収入」として数えられるので、働かないときより使えるお金は増えます。
控除の金額は収入額や自治体によって変わります。具体的な数字は担当のケースワーカーに確認してください。
口座に振り込まれた金額です。
自転車の修理代やスマホの通信費など、仕事のために使ったお金です。
働いた人だけが受けられる差し引きです。
保護費が減るのはこの金額の分だけ。5万円がまるごと消えるわけではありません。
引かれる金額は、稼いだ額や自治体によって変わります。実際の数字は担当のケースワーカーに確認してください。
必要経費も差し引かれる
Uber Eats の配達は、会社に雇われる働き方ではありません。個人で仕事を受ける形なので、走るためにかかったお金は「必要経費」として扱えます。自転車の修理代、スマホの通信費、バッグ代あたりですね。
ここは確定申告の考え方とも重なるので、Uber Eats の報酬と振込日のまとめもあわせて見ておくと整理しやすくなります。

ここを知らずに「働いても意味がない」とあきらめている人、けっこう多いと思います。私も制度を調べるまで同じように思っていました。
収入の申告のしかた|毎月、収入申告書を出す
厚生労働省の説明には「生活保護の受給中は、収入の状況を毎月申告していただきます」とあります。大阪市の案内は、もう少し具体的な書き方。
生活保護費以外の収入があればどんな収入でも、詳しく、正しく、すみやかに「収入申告書」により届出てください
大阪市「生活保護のしおり」
始める前にケースワーカーへ相談
「Uber Eats の配達を始めたい」と伝えます。ここを飛ばさないでください。
毎月、収入申告書を出す
アプリの報酬画面や振込の記録を見ながら、その月の収入を書きます。
必要経費のレシートを残す
修理代や通信費など、配達のために使ったお金の記録を取っておきます。
申告しないとどうなるか
習志野市は、届け出をしないまま保護費を受け取ることを「不正受給」と呼んでいます。起こることは、大きく3つ。
収入や世帯の状況に変化があったのに正しく届け出なかった場合が該当します。
習志野市の案内には「罰則を受けた場合でも返還義務は免除されません」とあります。
生活保護法85条では、うそをついて保護費を受け取った場合に、3年以下の懲役または100万円以下の罰金と定められています。
出典:習志野市「不正受給とならないために」、生活保護法第85条

脅すつもりはありません。ただ、あとから返還を求められるほうがずっとつらいので、最初に押さえておいてほしいところです。
「バレるのか」ではなく、申告する義務がある
「生活保護 ウーバーイーツ バレる」と検索する人もいるはず。気持ちはわかりますが、答えは隠せるかどうかではなく、そもそも届け出る義務があるという話になります。
そもそも、隠し通すのは無理があるもの。生活保護法29条では、役所が必要と判断したときに、銀行や勤め先などへ問い合わせできると決められています。
現金手渡しではないので、通帳に記録が残ります。
生活保護法29条にもとづく調査です。
税務署に出した記録からも、収入は見えてきます。

隠すことを考えるより、先に相談してしまったほうが気持ちが軽くなります。働くこと自体は止められませんからね。
使える車両|自転車と125cc以下なら現実的
配達に使う乗り物にも制限があります。佐世保市のよくある質問には、こう書かれています。
生活保護を受けている人は、原則として自動車やバイク(総排気量125ccを超える)の所有・使用ともに認められません
佐世保市「生活保護についてのよくある質問」
運用は自治体ごとに差があります。手持ちの車両で走れるかどうかは、必ず担当のケースワーカーに確認してください。
まとめると、生活保護を受けながら始めるなら自転車がいちばん話が早いということ。私も自転車で登録しています。

自転車なら初期費用も抑えられます。私も横浜を自転車で走っていますが、都市部なら十分に鳴りますよ。
始める前にやること|まずケースワーカーに相談
順番を間違えないでください。登録してから相談するのではなく、相談してから登録するのが正しい流れです。
ケースワーカーに「配達の仕事を始めたい」と伝える
収入の申告方法、使える車両、経費の扱いをその場で聞いておきます。
Uber Eats に登録する
身分証とメールアドレスがあれば、すべてWebで完結します。
1件だけ配達してみる
続けられそうかを確かめてから、ペースを決めれば十分です。
登録の手順はUber Eats 配達パートナーの始め方・登録方法に、必要書類と審査の流れをまとめています。申し込むときはキャッシュバックのあるページから進めるのがおすすめ。同じ登録でも、もらえる金額が変わります。
Uber Eats で生活保護をやめた人は実際にいる
ここからは、実際に生活保護から抜けた方の話。以下の投稿のとおり、Uber Eats をきっかけに生活保護から抜けた方がいます。
無事に生活保護廃止する事が出来ました。西成に辿り着いて一年四ヶ月Uber専業で自転車一台で生活保護脱出を目標に頑張って来て目標達成する事ができました🙇正直嘘みたいです。Twitterを参考にしたりアドバイスや相談にのってくれた方、ありがとうございました‼️これからも精進して頑張ります。 pic.twitter.com/yqeaWteWZk
— 西成フランスパン🍞UE大阪🚴 (@uber2020_2_29) August 21, 2020
より詳しい経緯はインタビュー記事になっています。
>>「ウーバーイーツ、人生やり直すきっかけに…5年の生活保護を脱した男性」
この男性は27歳から受給を始め、32歳で廃止まで到達したとのこと。受給のきっかけは、仕事が原因で双極性障害と診断されたことでした。そこからUber Eats で月20万円以上を稼ぎ続け、自力で物件を契約できるようになったと書かれています。

ちなみに私は副業なのでスキマ時間の稼働ですが、それでも月10万円近くになった月がありました。

専業で走れば、月20万円という数字は現実的な範囲に入ってきます。どこが稼げるかを比べたフードデリバリー配達員のおすすめ比較もあわせてどうぞ。
生活保護をやめる手続きは意外と面倒
稼げるようになったら、すぐ抜けられるとはかぎりません。手続きの実際は、体験談としてまとめられている記事があります。

この体験談は数年前のものなので、いまは改善されている可能性もあります。実際の手続きはケースワーカーに聞いてください。
「やめたくてもすぐにはやめられないことがある」と知っておくだけでも、心の準備が変わります。
うつ病経験者から見た、この仕事の向き不向き
私は数年前のサラリーマン時代にうつ病を発症しました。いまもトレドミン、アルプラゾラム、アモキサンという3種類の薬を飲んでいます。
そんな私が2019年9月から配達を続けられているので、体験としてお伝えできることもあるはず。アルバイトはどれも数か月しか続かず、2回した就職もどちらも半年ほどで辞めてしまった私がです。
朝が苦手でも、昼までに動き出せばランチの時間帯に間に合います。
話すのは料理を受け取るときと渡すときだけ。置き配ならその機会も減ります。
アプリの指示どおりに動くだけなので、初日から形になります。
家にいる時間が長いと考えこみやすいので、私は走るほうが気持ちが軽くなりました。
無理をして走ると続きません。まずは1件だけ試すところから。
天気や時間帯で大きく変わります。生活の計画は控えめに立てておくほうが安全です。
健康との関係については、医学的な効果を私が断定することはできません。あくまで私はそう感じたという話として受け取ってください。

無理は禁物です。まずは1回だけ配達してみて、体がどう反応するかを見るところから始めてみてください。
生活保護でUber Eats を「頼む」のはどうなのか
配達する側ではなく、注文する側の話も触れておきます。「生活保護でデリバリーを頼んだら怒られるのでは」と気にしている方がいるためです。
厚生労働省や自治体の案内を見たかぎり、保護費で何を買ってはいけないと個別に定めた記載は見つかりませんでした。生活費のやりくりは受給する人に任されている、という考え方です。
ただし、支給されるのは最低限の生活費。配達料や手数料の分だけ食費は高くつくので、続けると生活が苦しくなります。制度として禁止かどうかより、家計として無理がないかで考えるのが現実的です。
申し込みはキャッシュバックのあるページから
ここは知らないと損をするところ。Uber Eats はどこから申し込むかで、もらえる金額が変わります。
公式サイトから直接でも、配達の仕事は同じように始められます。ただ、キャッシュバックのついたページを通してから登録すると、決められた件数を配達した時点でお金が上乗せされる形。やることも手間も変わりません。
仕事の内容も報酬も、ふつうに始めた場合と同じです。
登録して決められた件数を配達すると、あとからお金が振り込まれます。走る内容はまったく同じ。
金額と期限は入れ替わりが早いので、申し込む前に最新の内容を確認してください。
いまの金額と期限はUber Eats 配達員のキャッシュバックページで確認できます。ほかの会社もまとめて見たい方はデリバリー配達員のキャッシュバックまとめもどうぞ。
まとめ|相談してから、申告しながら走る
やることは多くありません。相談してから始めて、毎月きちんと申告する。この2つを守れば、後ろめたさなしに走れます。
まずは1件だけ配達してみて、「そこまで大変じゃないな」と感じられれば、そこが次のスタート地点になりますよ。
参考:厚生労働省「生活保護制度」/大阪市「生活保護のしおり」/佐世保市「生活保護についてのよくある質問」/習志野市「不正受給とならないために」(いずれも2026年9月時点)




















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